古布で綴る物語

せいくらべ

柱のきずはおととしの 五月五日の背くらべ
ちまき食べ食べ兄さんが 計ってくれた背のたけ
昨日くらべりゃなんのこと やっと羽織の紐のたけ

柱に凭れりゃすぐ見える 遠いお山も背くらべ
雲の上まで顔だして てんでに背伸していても
雪の帽子をぬいでさえ 一はやっぱり富士の山

童謡「せいくらべ」 作詞:海野 厚

猫村での端午の節句です。
菖蒲に柏餅、鯉のぼり、兜、こどもの日のモチーフがたくさん見られます。 使用している布は、木綿の絞り、型染め、絣、更紗と多様です。 賑やかなこどもの日の様子が伺えます。
最近では、柱で背の高さを刻むことはしなくなりましたが、童謡「せいくらべ」を題材にした作品です。

「端午の節句」の作品を他にも少しご紹介いたします。

吊るし飾り
吊るし雛に習い、端午の節句用に作った作品です。 棒の両端には、鯉のぼり、ちまき、兜や金太郎などを吊るしています。
吊るし飾り 中央の図案
元気な掛け声が聞こえてきそうです。
みんな前掛けをして可愛いですね。
ポーチ 鯉のぼり(対面は兜と柏餅)
鯉のぼりの部分はポケットになっています 。真鯉は綿小紋 緋鯉はべんがらの型染め布を使いました。
ポーチ 兜と柏餅(対面は鯉のぼり)
猫は更紗を使っています。
猫ちゃん達は屋根瓦の上にいます。

猫の村は、信枝が擬人化した猫達をモチーフとした作品を制作するうちに、自然と生まれてきた空想の世界です。信枝の作品群の中では「猫村」というタイトルが付けられています。
「猫村」では信枝のタペストリーの中ではシリーズ化され、春夏秋冬や季節の行事が描かれています。
また、擬人化した猫達はバッグやポーチなどでも見ることができます。それは猫村かもしれませんし、猫町のことかもしれません。
猫達が織りなす懐かしくて、愛おしい世界をどうぞお楽しみください。

「古布で綴る物語」では、メッセージとともに、使用している布のこと、制作アイデア、作品に込められた思いなどについてお届けします。

Apr.30.2021

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